自己紹介
1950年生。北海道育ち。
子供の頃に患った蝶への熱病が98年、30年ぶりに再発。今のところ完治の見込みなし。 こまったものだ。 現在は北海道在住。 ___________ エキサイト以外のリンク 日本道路交通情報センター あやはべる/撮影日誌 蝶の観察記録 My Favorite Butterflies of JAPAN my蝶あるばむ Hirokou's Field Notes naoggio写真日記 受身の園芸 自然散策雑記帳 四季おりおり Googleマップ 最新の記事
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昨年は幸運にもムモンアカの羽化に立ち会うことが出来ました。でも、せっかくのチャンスであったにもかかわらず見過ごしてしまった点が沢山あったのでした。その内の一つはムモンアカが羽化時に持っている “フワフワした毛のようなもの” についてでした。
(A)あの “フワフワした毛のようなもの” の役割とは一体何なのだろう? a-1:アリの攻撃から身を守るためのプロテクターだろうか? でもアリはムモンアカを攻撃する素振りを見せないではないか。。でもアリの種によっては攻撃されるのだろうか? a-2:あの “フワフワした毛のようなもの” は単に物理的なフェンスとしてアリの攻撃から身を守っているのだろうか? a-3:それとも、あの毛のようなものから何か化学信号を発してアリをコントロールしているのだろうか?だからアリはムモンアカを攻撃する素振りを見せないのだろうか? a-4:それとも何か別の役割があるのだろうか? (B)あの “フワフワした毛のようなもの” は何時、どのようにして無くなるのだろう? b-1:アリにとられてしまうのだろうか? b-2:ムモンアカが自ら、落とすのだろうか? b-3:それとも自然に落ちるのだろうか? そんな訳で色々な課題を背負っての出陣でした。とは言っても今シーズンは蝶の発生が早いので羽化時期(=観察適期)がわかりませんでした。 「去年より一週間も早い出陣だけど大丈夫かな?」 実際、現地に着いてみてもムモンアカの姿はありませんでした。「やって、もうた。。」とがっかりしてしまいましたが気を取り直して他の蝶たちの様子を調べることにしました。そして30分ほどで戻ってきたら。。 「あっ、いる! ねぇ、ちゃんと調べたの?」と女史 「むろんだょ、でもさっきは間違いなく、いなかったよ」と私 「でも、もう翅が伸びきっているじゃない。。」と女史 「あのねぇ、こんなに目立つんだから、いれば見逃すはずないよ」と私 「あ~、やっぱり自分で調べるんだった」と女史 「多分だけど。。地面のすぐ近くで翅を伸ばして、伸びたから登ってきたんじゃないかな」と私 「ハイ、ハイ。。」と女史 この羽化直個体は発生木の幹上で翅を伸ばしていたわけでは無く、近くのスイカズラによじ登ったようです。そのせいか近くにアリの姿がありませんでした。従い、羽化直後のムモンアカとアリとの絡みに関しては何の観察も出来ず、そこは残念でした。しかし、未だ “フワフワした毛のようなもの” を持っていることはわかりました。それで、しつこく何枚も撮らせてもらっていると、やがてパラパラと飛び立ち、少し上のコナラの葉にとまりました。 それで、その個体を追いかけて撮ってみると「あっ、毛が無くなってる!」ってことがわかったのでした。 この日のサプライズは↑の1頭だけではありませんでした。何と別の1頭が先ほどの個体とほぼ同一の場所にまたもや忽然と現れたのです。最初に見た時は先ほどの個体が同じ場所に舞い戻ってきたのかと思いました。しかし、確認してみると先ほどの個体は同じ場所でじっとしていたのでした。但、後から同じスイカズラに登ってきた個体は最初から飛ぶ気が満々だったようで幾らも撮らせてくれずに梢へと舞い上がってしまいました。でも。。最高のプレゼントを残してくれていたのです。 さて、この日の観察で何がわかったのか?と言えば次のようなことです。 「ムモンアカの羽化直後の成虫に見られる “フワフワした毛のようなもの” はムモンアカが飛び立つことで失われる」 但、今回の観察ではアリはいませんでした。ですのでアリが群がっていた場合のことはわかりませんでした。
by clossiana
| 2018-08-04 11:31
| 蝶の不思議
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Comments(8)
貴ブログの昨年の記事で、“フワフワした毛のようなもの”は「羽化時にアリの攻撃から逃れるためのもの」という従来の説に疑問を呈された内容について、小生の仲間うちでも話題になっております。今回の追加観察事実、これまた貴重な事実ですね。
“フワフワした毛のようなもの”がナゼついているのか、どう仮説を立てるべきか・・・「飛べるようになるまでに、仮にアリから攻撃があっても逃れられるように」というのが当面の仮説になるのかなぁ~なんて考えながら読ませていただいておりますが、酷暑で頭が回らないというのも事実だったりします。
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clossiana at 2018-08-05 11:20
kenkenさん、コメントありがとうございます。
シジミの仲間の幼虫とアリの関係は割りと調べられていますがシジミの仲間の成虫とアリの関係は未だ謎が多いと思っています。 「やどりが」に、この2~3年に掲載された何篇かの川野論文は多くの示唆に富んでいますが、氏はシジミの成虫=アリの餌(攻撃対象)では無く、例え相手のシジミ(論文ではオオルリシジミ)が交尾中などで動けない時でもアリが攻撃しないことを観察し報告されています。 しかしムモンアカについては先月、アリに攻撃される場面を撮りました。(これにつきましては今週中にアップを予定しています)その時はムモンアカはふわふわした毛の様なものを持っていなかったにも関わらずアリを全く相手にしていませんでした。ですので「ムモンアカはふわふわした毛の様なものを持っていようが、持っていなかろうがアリを全く相手にしていない」と考えています。でも、そうだとするとあのふわふわした毛の様なものの役割は何だろう?と振り出しに戻ってしまいます。 日頃、節操の無い私とすれば前言を翻して今は“プロテクター説”を含めてゼロからやり直すしかありません。
あのフワ毛が飛び立つことによってほとんど失われてしまうということははっきりしたわけですね。
羽化直後の個体がアリのいる場所をとことこと歩き始めるところから観察できないと確かなことは言えないでしょうが、 でもアリの攻撃から身を守るためというのはなんだか説得力に欠けるような気もしますね。 よほどアリの好む匂いを発しているのでない限り、あの程度のフワ毛で身を守るのは難しいように思えます。
ムモンアカが飛び立つときに、ふわふわした毛が落ちてしまうと言うことを写真とともに記録されたことはすごいですね。
私も時々この毛のついたムモンアカを見ますが、みんな飛び立つ前の個体なのかなという疑問も多少ありますが、この毛の不思議に迫る貴重な記録ですね。
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clossiana at 2018-08-06 14:37
naoggioさん、コメントありがとうございます。
今回の観察でわかったことはムモンアカが飛び立つことでフワ毛が落ちるということだけです。アリとの絡みについては進展はありませんでした。このフワ毛ですがムモンアカの羽化時には持っていて、飛び立つことで失われるとすれば、羽化時にのみ必要なものであることになり、普通に考えればアリ対策ってことになります。でも昨年の観察ではアリはムモンアカを攻撃する素振りは見せませんでした。とすると、このフワ毛を使ってアリを懐柔している可能性は残ります。
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clossiana at 2018-08-06 14:39
ダンダラさん、コメントありがとうございます。
今回、観察出来た2個体は間違いなく羽化直でした。と言いますのは両個体とも下から這い上がってきたからです。その個体が一飛びした後にはフワ毛の大部分は落ちてしまいました。しかしダンダラさんがフワ毛を持った個体を時々観察されているとなれば個体によってフワ毛の落ちる時期はまちまちなのかもしれません。でも「このフワ毛は自然に落ちる」ってことだけは言えそうです。問題はこのフワ毛の役割です。もしダンダラさんが観察されたように羽化後のしばらくの間は保持しているとなれば「羽化時のアリに対するプロテクター説」は見直されなければなりません。これ、むずかしいですね。
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banyan10 at 2018-08-07 18:41
飛び立って葉の上に残った毛は貴重な観察ですね。
飛び立ったり、動くことで少しづつかもしれませんが、減っていくのは確かなようですね。 そもそも多くの生物には役割が不明なものが多いので、僕は深く考えないようにしていますが、それでも様々な仮説で観察を続けることは大事ですし素晴らしいと思っています。
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clossiana at 2018-08-08 13:20
banyanさん、コメントありがとうございます。
このフワ毛はどうもムモンアカの行動中に自然に落ちていくようです。そうだとすると一体何のために必要なのだろう?との疑問に戻ってしまいます。羽化時にだけ必要なのだとすれば、やはりアリ対策なのかな?と考えるのが自然かもしれません。翅を伸ばしている間は余り動けないからです。しかし昨年の観察ではアリは羽化直のムモンアカを襲う素振りは見せませんでした。それで堂々巡りとなってしまっています。
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