自己紹介
1950年生。北海道育ち。
子供の頃に患った蝶への熱病が98年、30年ぶりに再発。今のところ完治の見込みなし。 こまったものだ。 現在は北海道在住。 ___________ エキサイト以外のリンク 日本道路交通情報センター あやはべる/撮影日誌 蝶の観察記録 My Favorite Butterflies of JAPAN my蝶あるばむ Hirokou's Field Notes naoggio写真日記 受身の園芸 自然散策雑記帳 四季おりおり Googleマップ 最新の記事
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先の拙ブログ1月19日付けの続きです。昨年の11月中旬から、20~30日毎に観察地へと向かい当初に見つけた9頭の越冬幼虫の追跡調査を行ってきました。
調査内容としては。。 (A)模様(橙色紋)があるタイプと無いタイプの割合はどうなのか? (B)越冬幼虫が潜んでいるササの高さはどの位だろうか?越冬期間中に移動するか? (C)越冬幼虫は落葉中に潜むか? すでに昨年中に3回の調査を済ませていましたが、その間に幼虫数がどんどんと減っていきました。年を越す前の段階で、すでに幼虫数は当初の半分以下となっていたのです。どの蝶にとっても冬越しは大変なことですから、その意味では個体数が減じていくことは予想が出来たことで、仕方のないことです。でも何故、消え失せてしまうのか?の理由は殆どわかりませんでした。 ◎死亡したのだろうか?そうだとすればその要因は何だったのだろうか? ◎捕食されたのだろうか? それとも病死したのだろうか?或いは低気温? ◎それとも何処かへ移動したのだろうか?でも何故へ? ◎近くで見つからないのは何故だろうか? その理由は下記のごく一部の例外を除けば何もわからないまま今シーズンの調査を終えることになりました。 調査日:2018年1月中旬 a:地上高さ:10cm 模様アリ x 0頭 模様ナシ x 0頭 b:地上高さ:30cm 模様アリ x 1頭 模様ナシ x 0頭 c:地上高さ:50cm 模様アリ x 0頭 模様ナシ x 1頭 d:地上高さ:80cm 模様アリ x 0頭 模様ナシ x 0頭 ------------------------------------------------------------ 合計2頭 内訳( 模様アリ x 1頭 模様ナシ x 1頭) この追跡調査とは別に、この日は新たに2頭が見つかりました。この2頭は女史が何気にめくったササの葉裏で見つかったのですが高さが140cm位の場所でした。このような高い位置で本種の幼虫を見たのはこれが2度目です。(1度目については地上高さ150cm・拙ブログ2017年1月20日付け) e:地上高さ:140cm 模様アリ x 0頭 模様ナシ x 2頭 調査日:2018年2月中旬 a:地上高さ:10cm 模様アリ x 0頭 模様ナシ x 0頭 b:地上高さ:30cm 模様アリ x 1頭 模様ナシ x 0頭 c:地上高さ:50cm 模様アリ x 0頭 模様ナシ x 0頭 d:地上高さ:80cm 模様アリ x 0頭 模様ナシ x 0頭 ------------------------------------------------------------ 合計1頭 内訳( 模様アリ x 1頭 模様ナシ x 0頭) 調査日:2018年3月下旬 a:地上高さ:10cm 模様アリ x 0頭 模様ナシ x 0頭 b:地上高さ:30cm 模様アリ x 0頭 模様ナシ x 0頭 c:地上高さ:50cm 模様アリ x 1頭 模様ナシ x 2頭 d:地上高さ:80cm 模様アリ x 0頭 模様ナシ x 0頭 ------------------------------------------------------------ 合計3頭 内訳( 模様アリ x 1頭 模様ナシ x 2頭) 2月中旬には1頭しか確認出来なかったのですが3月下旬には3頭が確認出来ました。この理由としては2月中旬の観察時に於ける見逃しや他の株から移動してきた等が考えられます。 調査結果 今回の一連の追跡調査で、それなりのデータを集めることが出来ました。未だサンプル数は少ないのですが次のようなことは言えると考えています。 (A)模様(橙色紋)があるタイプと無いタイプの割合はどうなのか? この種の越冬幼虫の有り様、特に頭数は日を追うごとに刻々と変化していきました。従い、或る時点だけでの観察結果を基にして、この種の越冬幼虫のそれぞれの型の割合を語るのは安易であると考えられました。そこで今シーズンに見られた全頭数11頭と昨年までに見つけた6頭を合計した全17頭の内訳を調べてみました。 内訳: 紋アリ→ 5頭(29%) 紋ナシ → 12頭(71%) この結果は概ね図鑑(注)に記載の通りですので、これにて調査を終了します。 (B)越冬幼虫が潜んでいるササの高さはどの位だろうか?越冬期間中に移動するだろうか? 先の図鑑には「越冬中は地上の低い葉の裏や、落葉中に潜む」と記載されています。この場合の「地上の低い。。」とは具体的には地表から何cm位までを指しているのかよくわかりません。でも常識的に考えて「地上の低い=地表から30cm以内」とすると今シーズンに見られた全頭数11頭と昨年までに見つけた6頭を合計した17頭の内訳は次の通りでした。 内訳: 地表から30cm以下 → 3頭(18%) 地表から30cm以上 → 14頭(82%) b-1: 一言で言えば、この種の越冬幼虫は食草のどんな高さでも見出されます。図鑑に記されているように「越冬中は地上の低い葉の裏や。。」のような傾向は認められませんでした。加えて観察の結果はその観察地の有り様、或いは食草群落の有り様にかなり左右されてしまうことがわかりました。どういうことかと言いますと例えば今回の観察地では食草(アズマネザサ)の群落の中で一番、背丈の高い株は80cmほどでした。これでは80cm以上の高さで冬越ししている幼虫が見つかる筈はありません。ところが別の場所では↑の写真のように背丈が140cmほどの高さでも見出せたのです。つまり特定の群落だけでの観察では本種幼虫の越冬の有り様を語るのは安易であることがわかったのでした。 この結果、越冬幼虫が潜む場所の高さについての図鑑の記載には疑問が残りました。 b-2:↑の b-1 に記載の内容は越冬初期であれ厳寒期であれ変わりませんでした。 b-3;日数が経つにつれ幼虫数はどんどんと減っていきました。しかし特定の高さの幼虫だけがいなくなるというような傾向は認められず、どんな高さの幼虫も一様に、その個体数を減じていきました。 b-4:越冬中の幼虫が越冬場所を変えることは3個体で確認が出来ました。しかし、冬期間中に越冬場所を変えることは大変にコストのかかることです。と言いますのは幼虫の潜む葉裏は幼虫の吐いた糸でびっしりと覆われているからです。これは越冬期間中に葉裏から落下するのを防止するためであろうと考えていますが、もし何らかの事情で越冬場所を変える場合には新しい葉に再度、びっしりと吐糸しなければなりません。なので越冬期間中に越冬場所を変えることはしないのが普通なのではないかと考えています。 b-5:厳寒期であっても摂食することが1個体ですが確認出来ました。 (C)越冬幼虫は落葉中に潜むか? 比較的、多くの幼虫が見られたアズマネザサの群落にて落葉中に潜む幼虫がいるかどうかを調べてみました。しかし1頭も見出せませんでした。又、観察中の幼虫が行方不明になった場合は何者かに捕食された可能性、病気他の理由で死亡した可能性の他に移動して落葉中に潜む可能性がありましたので行方不明となった株の根元を私なりに丹念に探してみましたが1個体も見出すことは出来ませんでした。 この観察結果は先の図鑑(注1)の次のような記載を裏付けることになりました。 「 」内引用 「栃木の観察によれば(中略)これまですべて食草の葉裏でみつかっており、地表へ降りた越冬幼虫の例はないという」 当初の9頭に加えて新たに1月中旬に2頭が見つかりましたが、この合計11頭の内、3月末まで 生存が確認出来た個体は4頭でした。このことから生存率は少なくとも36%、逆に64%の個体は越冬中に何らかの要因で死亡したことになります。 今シーズンの調査はこれにて終了ですが、来シーズンも機会が許す限りは観察を続けてみたいと考えています。 (注)原色日本蝶類生態図鑑 福田晴夫他編 保育社 昭和59年
by clossiana
| 2018-03-23 21:14
| ジャノメチョウ科
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Comments(2)
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banyan10 at 2018-03-24 07:18
最近は笹の葉の坊主めくりしていませんね。
探した頃も根気が続かないので、1つでも見つかれば満足で、見つからないでも少しで諦めてしまいます。なので、こういう調査は僕にはできそうもありません。(^^; 尾園さんのブログの推測はこの記事を読む限りは違っていそうですね。 http://blog.livedoor.jp/photombo/archives/1849740.html
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clossiana at 2018-03-24 09:06
banyanさん、コメントありがとうございます。
今回の追跡調査の主目的は「越冬幼虫の居場所の高さの調査」でした。と言いますのは今までの経験では越冬幼虫の見られる高さはバラバラであり、その点で図鑑に記載の内容との間に差異があったからです。ご紹介頂きましたブログを見させて頂きました。確かに私の観察結果とは違っていますが、例え厳冬期であっても幼虫が移動することもあるのは間違いありませし、それに未だサンプル数が少ないので一概に、その方の推測が間違いであるとは現段階では言い切れません。
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