自己紹介
1950年生。北海道育ち。
子供の頃に患った蝶への熱病が98年、30年ぶりに再発。今のところ完治の見込みなし。 こまったものだ。 現在は北海道在住。 ___________ エキサイト以外のリンク 日本道路交通情報センター あやはべる/撮影日誌 蝶の観察記録 My Favorite Butterflies of JAPAN my蝶あるばむ Hirokou's Field Notes naoggio写真日記 受身の園芸 自然散策雑記帳 四季おりおり Googleマップ 最新の記事
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前回の観察時から27日後の8月初旬の様子です。
残念ながらトイレの天井には1頭もいませんでした。僅かに1頭がバース上には描けない低い位置にとまっていただけでした。 このいなくなってしまった理由ですが。。 トイレが清掃されていたことと関係があるのではないか?と推測しています。 トイレの周辺の草が刈られていて、この時期には周辺で見られるシータテハやクジャクチョウも全く見られませんでしたし、トイレ内に落ちていた色々な昆虫の死骸もありませんでした。 トイレ内の清掃が高い天井に陣取っているヒオドシに影響するだろうか?と疑問に思われるかもしれませんね。 でも一昨年の場合はヒオドシは天井をちょこちょこと移動しているふしはあったのですが頭数は減ってはいなかったのです。今年の様子は一昨年と余りに大きく違っていますので何か人為的な要因が働いたのではないか?と考えた次第です。 この残された1頭を今後も継続観察したいのですが、この個体も早晩、その姿が見られなくなると悲観的な予想をしています。 その理由としては先ず、この個体がトイレの低い位置にいることです。トイレの利用者の干渉は免れません。もう一つの理由はトイレの入り口辺りにハチの仲間が営巣しそうだからです。 もし巣を作り始めたら間違いなく当局に通報されて駆除されるでしょう。その際にヒオドシにも影響が及ぶのは免れないように思えるのです。 最後に、もう50年近くも前に夏眠中のヒオドシを観察された浅田孝二氏の文章を引用させて頂きます。 以下は全て「愛蝶記」浅田孝二著 からの引用です。 六月下旬のある日曜日のことだった。昼過ぎに気温がグンと上がって、にわかに夏の到来を思わせるむし暑さになった。午後三時をまわった頃だと思う。玄関のスリガラスの格子戸の外側に、チラチラと蝶の影がうつっているのに気がついた。ぼくの住まいは極く古い家で、玄関はひと昔も前のガラスの引戸が、左右に滑車でガラガラと開く仕組みになっている。そのスリガラスの向こう側で、かなり大型の蝶がさかんにヒラヒラと影絵のように舞っているのだ。 中略 ヒオドシチョウだった。ふだんならば、かなり敏しょうなこの蝶が、まるで産卵の場所でも探し求めるように、ゆっくりと格子戸のあちこちを物色している。とまったかと思うと、またさっと飛び立ち、屋根のひさしぐらいまで上がると、再びおりて来て格子戸に近づき、右へ左にヒラヒラと舞うのだ。 中略 「夏眠だな。」という考えが、やっとそのときぼくの脳裏にうかんだ。 中略 ところで、このヒオドシチョウが、その安息の宿を求めてぼくの家を訪れたとなると、あだやおろそかに出来ない。「飛んで火に入る夏の虫」は多くても、「飛んで眠りに来る夏の蝶」となると、そうざらにいるものではないのだから。かれこれ一時間近くも、ヤブ蚊の襲来を我慢しながらこちらの姿をかくして、ぼくはこの珍客の様子をじっと見ていた。次第に行動半径をせばめた蝶は、ようやく気に入った場所が見つかったのだろうか、羽を閉じたまま動かなくなった。 「愛蝶記」浅田孝二 著 新紀元社 昭和42年より。。 夏眠場所がご自宅の玄関の引き戸の格子上ですから当然、扉の開け閉めの際には動きます。それで氏はハラハラ、ドキドキしながらヒオドシの様子を見守り続けたことが綴られていまして氏の蝶への深い愛情が随所に感じられます。ところで氏が当時、何処にお住まいだったのかはわかりません。でも普通に考えれば何処か低地だった筈です。そうだとすると低地で夏眠するヒオドシの記録ということになります。やはりこの蝶の越夏の仕方は緯度や標高の違いだけではなく場所に依っても複雑な様相を見せるのだと再認識させられました。
by clossiana
| 2015-08-21 21:27
| 蝶の不思議
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Comments(2)
ウ〜ム、継続観察を期待していたのに残念です。
いなくなってしまった個体にも、残った1頭にも、良い未来が待っている事を願うばかりです。 それにしても浅田孝二さんの文章は美しいですね。 これだけ読ませて頂いただけで感動してしまいました。
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Commented
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clossiana at 2015-08-26 18:25
naoggioさん、コメントありがとうございます。
残念ですが公衆トイレですから当局とすれば清掃するのが当り前ですから、しょうがないですね。浅田孝二さんの文章は蝶への愛情に満ち溢れていて且つ、細かな部分を良く観察されていますので、とても勉強になります。我々の大先輩ですが見習いたいものだと思っています。
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