自己紹介
1950年生。北海道育ち。
子供の頃に患った蝶への熱病が98年、30年ぶりに再発。今のところ完治の見込みなし。 こまったものだ。 現在は北海道在住。 ___________ エキサイト以外のリンク 日本道路交通情報センター あやはべる/撮影日誌 蝶の観察記録 My Favorite Butterflies of JAPAN my蝶あるばむ Hirokou's Field Notes naoggio写真日記 受身の園芸 自然散策雑記帳 四季おりおり Googleマップ 最新の記事
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(ムラツは本当に緑葉を選択しているか?についての再検証)
秋から初冬にかけて形成されるムラツの越冬集団が或る時に消え去ってしまう謎の解明を始めてから、もう4シーズン目です。 この間に判ったことはと言えば殆ど何もわかっていません。 それどころか却って別の謎が次々と出てくるありさまなのです。 そんな中で「ムラツの越冬集団は様々な樹の緑葉上に形成され、この点で近縁の2種とは際立った対照を見せる」という事象は数少ないデータの裏付けのあるものでした。 そしてそれは今シーズンの観察結果でも同じです。 個体数がピークとなった11月28日に観察出来た全個体数76頭の内、緑葉上に見出された個体数は72頭であり、これは全体の94.7%に相当します。 この種が緑葉を好むのは、この数字を見る限るでは明白であり、枯葉や一部が枯れた葉を選択した個体は例外と言えそうです。 ところがふとしたことから「この性質は本当だろうか?」と疑念が生まれてきたのです。 きっかけはダンダラさんが今シーズンに観察された「当初クヌギの緑葉に陣取っていた個体がクヌギが枯れ始めて茶色になっても同じ葉にとどまっていたこと」に端を発します。 「もし緑葉を好むのだとしたら何故、茶色になった時に別の緑葉に移動しないのだろう?」 もう一度、集団の形成過程を考えてみます。 集団は最初から集団なのではありません。 最初は1頭からスタートします。(拙ブログ12月1日'11付け) 最初の1頭は緑葉を選択します。 ところがそこへ2頭目が加わった場合、その個体は何に惹かれて、その葉を選択したのでしょう? 考えられる可能性は? (A)葉が緑色だから、その葉を選んだ。 (B)そこに仲間がいるから、その葉を選択した。 (C)葉の一部が自身の翅裏と同じ色をしていたから、その葉を選んだ。(=仲間を選んだのではなく、色を選んだ) 私は直感でしかありませんが(B)の仲間を選んだのではないかという気がするのです。 それはこの蝶が高い集合性を持っていることが周知の事実だからです。 でももしそうだとすれば、つまり緑葉を選択したのではないのだとすれば↑の計算をやり直さなければなりません。 即ち、集団を形成した全個体の内、最初の1頭だけが緑葉を選択したと仮定し、それ以外は全て緑葉ではなく仲間を選択したと仮定するのです。 そうするとピーク時には9集団だったのですから次の計算式となります。 緑葉上の全個体数72頭ー9頭=63頭 63頭+4頭(最初から枯葉又は一部が枯れた葉を選択した個体)=67頭 67頭÷76頭=88.1% つまり約88%の個体は緑葉以外を選択していることになります。 そんなことを考えながら、いつもの公園を歩いていました。 すると目に飛び込んでくるのは常緑樹ばかりです。 マテバシイ、サンゴジュ、アラカシ、ヤブニッケイ、カクレミノ、ツバキ、キンモクセイ、ヤマモモ、クロガネモチ、ヒイラギ、カナメモチ、クスノキ、シラカシ等々。。遊歩道沿いはこれらの常緑樹で満たされています。 一方の落葉樹ではサクラ、クヌギ、ハクモクレン、コナラ、イチョウ、ヤマグワ等が植えられていますが 全体としては圧倒的に常緑樹が多い感じです。 公園なのでこういう樹種選定となるのでしょう。 それでムラツが緑葉を選んだ理由は単純に周辺に常緑樹が多かったからではないのか? たったそれだけの理由だったのかもしれないなと思いました。
by clossiana
| 2012-01-14 19:00
| 蝶の不思議
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Comments(6)
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himeoo27 at 2012-01-14 19:23
湘南ムラツの観察では、集合した葉(緑色、茶色の両方)から全ての個体が舞いあがっても、何か「その葉」に色とは関係なくひかれるものがあるようでまた集まってきました。
(B)も大きい原因と思いますが、とっても不思議でした。
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勝手な想像と一部ジョークですが、ムラツは変色した葉がやがて落葉して行くことはうすうす知っているのではないでしょうか?それで最初は緑の葉を選びますが、その後集団が膨らんで行く時には仲間がいる事が視覚的に大きな誘因となり、さらに一度集団が形成された葉には何かしらのサインが残されるか、蝶が記憶していて元の葉に戻っているような気がします。もといた葉に戻ってくる時の行動を見ていると、葉が折り重なって相当目立たない場所でもすぐそばまでは迷わず飛んで来ているように見えます。以前にもフェロモンの話が出たりしていましたが、そうでなくともハチに顔の似ているシジミチョウのことですから、帰巣のテクニックは持っているのではないでしょうか?
↓前回の記事の時頂いたレスはとてもわかり易くためになりました。ありがとうございました。
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clossiana at 2012-01-17 21:45
himeooさん、コメントありがとう御座居ます。
仰られていますような現象は私も何度か目にしています。確かに一度四散しても元の葉に戻りますね。これにつきましては拙ブログの12月10日付けでも取り上げていますが視覚以外に葉に残した臭い(ある種の化学物質)か又は記憶が介在しているのではないか?と考えていますがいずれにしても不思議です。それを踏まえて、ここではこの種は思っている程には緑色の葉には執着していないのではないか?もっと別の何かの方が重要なのではないか?との謎を投げかけました。本当の正解は何でしょうね?
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clossiana at 2012-01-17 21:52
naoggioさん、コメントありがとう御座居ます。
ムラツが或る場面では緑葉を選択して、有る場面では仲間を選択して。。つまり局面に応じて違った選択をしているという可能性は見ている限りでは全くその通りなのです。一方で私は絶対に何か単純な法則に従っている筈だと考えていますので頭が混乱してしまうのです。どうもムラツの方が一枚上手のようですね。但、やはり「ムラツは変色した葉がやがて落葉していくことはうすうす知っている」という可能性はゼロだと思います。葉が変色してやがて葉とともに落下していく様子は2008年に観察地の公園で観察出来ましたし、今シーズンもhimeooさんの観察地で同様の現象が観察されているからです。むしろ当初は緑葉だったのに葉が変色しても同じ葉に執着する理由が何に依って引き起こされているのか。。謎のままです。謎解きこそがこの趣味の一番の醍醐味であると普段から豪語している割には何とも情けないありさまです。トホホ。。
ムラツの集合性の基本はBだと思っていますが、問題は仲間であることを何によって認識しているかですね。
私自身が観察した範囲では、仲間であることはフェロモンなどの化学物質ではなく視覚的なものだと思っています。 視覚的なものというと、形と色が関係してきますが、形と言っても尾状突起などはなくなっている可能性も高いし、翅も切れたりしていることも多いし、大きさにも個体差があるだろうし、あまり厳密なものではないと思います。 さらに、この時期に見られるウラギンシジミやキタキチョウなどと混成している例は観察したことがないので、形も少し関係しているけど色合いかなと思っています。 ただ、フェロモンなどは見ただけではわからないので、あくまで観察で感じた範囲と言うことですが。 ですから、Cも可能性の中に含まれると思います。 過去の写真を見直していたら、ブログ以前の気になる写真を見つけたのでそのうちアップしてみます。(HPには載せてますが)
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clossiana at 2012-01-21 10:36
「気になる写真」が気になって貴ホームページをのぞかせて頂いたのですが、どの写真が気になる写真なのか、その時はわかりませんでした。
でも先ほど、貴ブログを見させて頂いてその理由がわかりました。わかってみると何故こういう簡単な答えが今までわからなかったのか、又違う方向へ頭を巡らしていたのかが不思議です。でも何かがわかるってことは、かなりすっきりとした気分になれますし、次の謎を解くための大きな足掛かりになりますので嬉しいです。
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