自己紹介
1950年生。北海道育ち。
子供の頃に患った蝶への熱病が98年、30年ぶりに再発。今のところ完治の見込みなし。 こまったものだ。 現在は北海道在住。 ___________ エキサイト以外のリンク 日本道路交通情報センター あやはべる/撮影日誌 蝶の観察記録 My Favorite Butterflies of JAPAN my蝶あるばむ Hirokou's Field Notes naoggio写真日記 受身の園芸 自然散策雑記帳 四季おりおり Googleマップ 最新の記事
フォロー中のブログ
90% Papillon... 登山道の管理日記 てくてく写日記 愛野緑の撮影記録 蝶の観察記録その2 呑むさん蝶日記 蝶・チョウ・ゆっくり歩き... 鳥蝶ビデスコ フィールドノート 四季彩散歩 小畔川日記 探蝶逍遥記 ヘムレン の Natur... 蝶の玉手箱 安曇野の蝶と自然 NATURE DIARY みなみかぜ通信 ヒメオオの寄り道 うすばしろちょう ひらひら探検隊 NPO法人 日本チョウ類... たかがヤマト、されどヤマト 秩父の蝶 カテゴリ
全体 プロローグ 蝶の思い出 私の宝物 蝶の不思議 アゲハチョウ科 シジミチョウ科 ジャノメチョウ科 シロチョウ科 セセリチョウ科 タテハチョウ科 マダラチョウ科 テングチョウ科 いろいろな蝶 いろいろな虫たち 蛾 類 カミキリ類 トンボ類 その他 以前の記事
最新のコメント
最新のトラックバック
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ムラサキ3兄弟は越冬に際してはそれぞれ独自の方法で身を隠しています。
でも私はその中ではムラサキシジミが最も巧妙に身を潜めていると感じています。 3種とも樹上の葉表に鎮座しているのは共通しているのですが、ムラシ以外の2種は身をさらけ出しています。 その点、このムラシは枯葉が重なり合ったような場所を好み、しかもその枯葉の奥まったところに潜り込む様にしていますから外からは殆ど見えません。 これが3種の中では最も巧妙であると感じる理由です。 ところで人間から見て隠れ方が巧妙だとしても他の捕食者達からもそうであるとは限りません。 さて、この点はどうなのでしょうか? 私の経験ではこのムラシはムラツやウラギンに比べてビークマークを持った個体が少ない様に思われるのです。 いやそれどころか殆ど見かけることがありません。 このことは如何に巧みにムラシが隠れているかの証ではないでしょうか? それとも逃げ足が速いのかな? ところが、こんなに上手に隠れているムラシも例年、年が明ける頃には殆ど見かけなくなってしまいます。 あんなに巧妙に隠れていても数が大きく減ってしまうのです。 これは何故でしょうか? 私の怪し気な仮説は以下のようなものです。 即ち、私は最大の問題は隠れ家そのものではないか?と考えているのです。 つまり隠れ家としてケルクス類(Quercus)を選ぶことが多いということが問題なのでは?と考えているのです。 何故かと言いますとケルクスは常緑樹だけではないからです。 もし隠れ家として選択をした樹種が落葉するタイプのケルクス、例えばクヌギやコナラの場合だとすれば初冬には未だかろうじて葉が残っていますがやがて遅かれ早かれ全ての葉は舞い落ちてしまうか、又は少しの風でも吹き飛んでしまうことでしょう。 又もしこの隠れ家が舞落ちてきた枯葉がたまっているような場所の場合も同様にたまっていた葉は大風によって吹き飛ばされてしまいます。 つまり彼等の隠れ家は童話の「3匹の子豚」状態であることが少なくとも関東以北では多いのではないかと考えているのです。 そしてそのことが数が減っていく最大の要因ではないかと考えているのです。 一方で隠れ家が同じケルクスであっても常緑樹であるアラカシ等の場合には上記のような問題は起こりません。 アラカシは年中、一枚の半分位が枯れた葉を多かれ少なかれ持っていますし、又例え葉全体が枯れていても、その葉が小枝にくっついたままのことがしばしば見られるのです。 ですから生存率が高い筈だと考えられるのです。 実際、それが理由かどうか房総では春先ともなれば何処からともなく、そこそこの数のムラシが飛び出てきて辺りを賑わしています。 ですからアラカシはムラシにとって主要食樹として重要であるのみならず、越冬場所の提供者としても大きな役割を果たしていると考えられるのです。 この種の北限は長い間、福島/いわき市だったのが今では宮城県にまで北上しています(みやぎインセクト14' 1992)。 そしてこの宮城県はアラカシの北限でもあるのです。 この食樹としてのみならず越冬場所としても重要なアラカシが宮城県より北には自生していない以上はムラシの北上もこの先はないであろうと推測しています。 (これは全くデータの裏付けのない単なる推測ですのでご注意下さい。) おまけ
by clossiana
| 2011-02-25 21:02
| シジミチョウ科
|
Comments(10)
私の観察場所はアラカシの林なので、他の場所での越冬状況はわかりませんが、それでも2月までに生き残るのはほとんどいないような状況です。
メジロやカラの類の食害が大きいのではないかと考えていますが、直接捕食されている現場を見たわけではないので推測にすぎません。 おっしゃるように巧妙に枯葉の間に隠れていますが、鳥も木の茂った間にもぐりこんで執拗に探していますから、ほんとに運よく見つからない個体だけが越冬できるんでしょうね。 私は鳥が止まって探せないような場所を選ぶのも大事な条件かなと思っています。 越冬中は多少気温が高くても、少しの刺激では飛ばないので、そこを鳥に見つかった場合には逃げるまもなく捕食されてしまうのかなとも思います。 少しの刺激では飛ばないという習性は、巧妙に隠れていることとあわせて、鳥に見つからないための条件かもしれませんが、見つかった場合には逆に致命的な欠点にもなってしまうのではないでしょうか。 ムラツなどは気温が多少高いときには、それこそ刺激に反応してクモの子を散らすように飛び去りますからね。 ビークマークが少ないのはそんなことも関係あるのかな。
0
Commented
by
clossiana at 2011-02-26 14:24
ダンダラさん、コメントありがとう御座います。千葉の公園にはアラカシが少ないせいかクヌギ、コナラ、サンゴジュ、マテバシイ等で見られます。クヌギやコナラの場合は上記のように隠れ家ごと無くなってしまいますので、これが主要因かと考えました。サンゴジュの場合は?です。マテバシイの場合はそもそも枯葉が少ないせいか大抵は降り積もった枯葉が隠れ家になりますが、これも最後は無くなってしまいます。小鳥が丹念に餌を探していることにつきましては同感です。小鳥がとまれないような先端の枝先等に隠れ家があるのは、その点では有利でしょうが、それが枯葉の場合には風の影響は多いのでは?と考えています。少しの刺激では飛ばないのは、大風に吹かれてかなり隠れ家がグラグラと揺れていても落ちないし、飛びませんが仰られておられますように見つかった場合は致命的ですね。でも問題は上述しましたように色々な要因で死んでいくのでしょうが死因別のデータが無い事で、これは生態図鑑などにも減少する要因が不明であるとの記載が見られるのです。この辺りの数字的な裏付けを取らなければならないのでしょうが直感的にはルーやムラツより一層大変な作業のような気がします。
ムラサキ3兄弟も細かく見ていくと色々な違いがあるものですね。面白いものです。
昨日は千葉の公園を1時間ほど歩きましたが、蝶の姿は見られませんでした。 今日は横浜の公園の、1月22日にムラシ1♂を確認した場所で、同じくムラシ1♂を確認しました。 定かではありませんが、なんとなく前回見たのと同じ個体のように思えます(後で画像確認してみます)。 ここは秋には何頭ものムラシやムラツを確認できる場所です。たまたま上手い場所を越冬場所を選び、かつ運のいい個体だけが、こうして春まで生きのびることができるんですね。
Commented
by
himeoo27 at 2011-02-27 16:45
初めてコメントを書くヒメオオです。
昨年は地元の埼玉県内では初めてムラツの幼虫・蛹を多数見つけることが出来ました。しかしながら、越冬場所は結局叶わなかったので今年再度チャレンジしてみます。 リンクを張らせていただきましたので、今後ともよろしくお願いいたします。
ムラシは、丸まった枯葉の中に潜っているようですね。私も近くで目撃しています。丸まった枯葉ごと下に落ちて、枯葉の吹き溜まりに隠れているような気がしてます。(裏翅の鱗粉の剥げ落ちはこのことを物語る?)ゴマダラの幼虫のように、落ちた枯葉の中で寒さに耐えているという根拠のないことを考えていますが、吹き溜まりさえ最後になくなるので、この仮定はムリですね。
近くの公園では、枯葉を毎日せっせと掃き集めています。この中にムラシが紛れていないのかと気になっています。
Commented
by
chochoensis
at 2011-02-28 10:21
x
clossianaさん、=ムラサキシジミ=越冬場所の論議・・・面白いですね・・・いままでの越冬を見てみると、確かに見つけるのが難しいような奥まった葉または枯葉の絡まった箇所などに多いような気がします、昨日、毎年越冬しているアラカシを見に行ったら・・・どういうわけかこの時期に強剪定されていて丸坊主状態・・・流石に唖然としました・・・。人為的な影響もあるんだ・・・とガッカリ・・・。
Commented
by
clossiana at 2011-03-02 19:04
naoggioさん、コメントありがとう御座居ます。千葉の公園へ行ってこられたのですか。あそこではもう1月の終わりの段階で殆ど何も見られなくなってしまいましたので、この頃は行っていません。でも、昨シーズンの場合は春にムラツもムラシも目撃しています。きっと運にも恵まれた精鋭達だけが生き残れるのでしょうね。naoggioさんが横浜で見られた個体は恐らく以前に見られたものと同一の個体だろうと思います。なにせこの時期に生き残っている個体は少ないですから。。
Commented
by
clossiana at 2011-03-02 19:05
himeooさん、初めまして。と言ってもhimeooさんのことは他の方々のブログ等でよく知っておりまし写真も見させて頂いておりました。コメントを頂き、ありがとう御座居ます。ムラツの幼虫はこちらでも、特に秋には沢山見られますし、晩秋には越冬集団も見られます。越冬集団は普通は或る程度の大きさの葉を持った常緑樹の生葉(緑色)に形成されるようです。今シーズンは群馬(蝶の玉手箱、cuctussさんのブログ)でも見られたようですから埼玉でもきっと見つかると思います。私もリンクさせて頂きますので、今後共宜しくお願い致します。
Commented
by
clossiana at 2011-03-02 19:06
otto-Nさん、コメントありがとう御座居ます。ムラシは↑の写真では丸まった葉ですが普通は枯れた葉が重なり合った場所です。枯葉ごと落ちてしまった場合には生存出来る可能性はとても低いのでは?と思いますが実際に見た訳ではありませんので定かではありません。蛹はゴマダラ幼虫と同じ様に発生木の根元の枯葉にくっついています。この場合でも少ない私の経験では吹けば飛ぶ様な枯葉ではなくて、半分は土に埋まったような葉を選んでいるようです。私の観察地の公園でも毎日、枯葉をせっせと掃き集めていますが私はそれが蛹の時期であれば間違いなくムラシが葬り去られていると思っています。
Commented
by
clossiana at 2011-03-03 20:48
chochoensisさん、コメントありがとう御座居ます。ムラシはもともと個体数が少ない蝶ではありませんから晩秋から初冬にかけて本当は多くの個体が生息している筈なのに、その割には簡単には見つかりません。やはり隠れ方が巧妙なのだと思います。生息数の減少についての人為的な要因は千葉の公園では蛹期の方が影響は大きいのでは?と考えています。遊歩道に落ちた枯葉だけではなく、そこらじゅう全ての枯葉を集めたりブロアーで吹き飛ばしたりしているからです。但、管理当局からみればムラシもアラカシを食う害虫でしかないのでしょうから仕様がないのかな。。でも害虫も、それを食べる小鳥たちもいないような公園って公園じゃないと思います。
|
ファン申請 |
||