自己紹介
1950年生。北海道育ち。
子供の頃に患った蝶への熱病が98年、30年ぶりに再発。今のところ完治の見込みなし。 こまったものだ。 現在は北海道在住。 ___________ エキサイト以外のリンク 日本道路交通情報センター あやはべる/撮影日誌 蝶の観察記録 My Favorite Butterflies of JAPAN my蝶あるばむ Hirokou's Field Notes naoggio写真日記 受身の園芸 自然散策雑記帳 四季おりおり Googleマップ 最新の記事
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[越冬集団の形成時期]
当初の仮説: この蝶の越冬世代は時期、気温、天気に関係なく羽化した時から集合する性質を持っている。 観察結果: 観察を始めた10月末時点ですでに集団の存在を確認出来ましたので、上記の仮説は正しいと思われます。単独の個体も見られ、実際にはそちらの数の方が多かったのですが、それについては↓の観察テーマと重複していますので、↓を参照して下さい。 但、このテーマに関連して思わぬ発見が一つありました。 それは 集団の形成時期及び集団のピーク時が千葉の方が宮崎に比べて約一ヶ月程早いという事実です。 これは「みなみかぜ通信」のmmerianさんのブログを拝見させて頂いていて気付きました。 図鑑上にも集団の形成時期としては11月下旬、集団のピーク時期は12月下旬との記載がありますのでmmerianさんの観察と一致しています。この性質の違いは関東に迄、北上する過程でツバメシジミが獲得した特徴の一つと考えられます。 この一ヶ月のズレを生じる要因としては関東の個体群の越冬世代が3化と云われているのに対して、南九州では4化又は5化であり、越冬世代の羽化時期が一ヶ月程遅い為であると考えられます。 もう一つ、集合性が何時迄見られるかという点ですが千葉で最後に確認出来た集団は1月16日の2頭ですが、宮崎(上記ブログ)では2月4日現在で未だ20頭の集団が見られるそうです。 尚、この点について図鑑上では4月迄、集合性が見られるとの記載があります。 [集団に加わらない個体が何故、存在するのか? 集団でとまっている葉に未だ余裕があっても加わらないのは何故か?] 当初の仮説: ? 観察結果: 下図を参照、願います。下の折れ線グラフは実際の単独の個体数の変遷を表しています。 上の折れ線グラフは前個体数の中で単独個体の占める割合の変遷を表しています。 D期は新成虫の羽化時期ですが、未だ数が少ないが故に集団自体が周囲に形成されておらず、従い単独個体の割合が高いと考えられます。日が経つにつれ、集団の数が増えると割合は下がってきます。 つまり、この時期に見られる単独個体は所属する集団が周囲に無いので単独でいるのだと考えられます。 11月13日に単独個体の数がピークとなりました。 これをどう理解すれば良いのか私には難し過ぎました。 強いて言えば、これは新成虫の羽化数が続伸する過程で、未だ集団数が充分でない為に起こった現象かな?と考えています。 しかし、その直前迄は単独個体数も又その割合も下降線でしたので、よくわかりません。 E期の前半は引き続き新成虫の羽化時期です。 多くの集団が形成されますので単独個体の割合が下がり続け11月27日に個体数が最も多くなるピーク時期に最低の値を示します。 F期は成虫の激減期に相当します。 個体数、集団数とも激減しますので、生き残った個体は所属する集団が見つからず、それで単独個体数と、その割合が上昇線を描き始めるのではないかと考えられます。 G期はすでに個体数がピーク時の20%を下回っていて、やがて集団どころか単独個体もみられなくなる時期です。 この観察結果から出した私なりの結論は単独個体の存在は基本的には「どの時期であれ、周囲に所属すべき集団が存在しないから」というものですが如何でしょうか? 【ムラサキツバメの観察のまとめ】 新たな疑問 この一連の観察を行っている最中に生じた新たな疑問を、以下書き留めておきます。 1:気温が高い時などに集団を飛び出て回りで日光浴等をする個体がいることはご存知の通りですが、一方では飛び出ずに集団に残っている個体がいて、数とすれば、そちらの方が多いくらいです。 飛び出た個体が集団に戻る際には、この残っている集団が目印になっているように思われますが何故、同じ気温下で行動に差が出るのでしょう?これはルーミスについても同様です。 2:図鑑にはこの蝶の定方向移住についての記載があります。 これは同じ方向へ向かって飛ぶ現象のことらしいです。 未だ良くわかってはいない様ですが、いずれにしても、この様な飛翔は見られませんでした。 むしろ集団の存在する樹に強い執着を示して決して遠くへは飛ばないとの印象しか持ち得なかったのです。 しかし、一方で近年のこの蝶の関東一帯への急速な拡散を考えた時、このような定方向移住はあり得る事ですので、この観点からも観察をしてみたいです。 でも越冬世代にはこのような性質は無いのかもしれません。 3:ムラツだけではなくルーミスでも見られたのですが、とまっている葉に日が当たり始めると、それを避けるかのように葉影へ移動する個体がいます。 これは体温の上昇を防いでいるのか?又は日が当たって身体全体を晒してしまうと補食者(観察者も?)に対して目立ってしまうので隠れようとするのか? 4:何故、近縁のムラシやルーミスと違って緑色の葉に集団を形成するのか? 私見ですがムラシは翅の裏の色が茶色ですので枯葉に紛れると、その姿が見えにくくなります。 ルーミスの翅の裏の色は白っぽいのですが、一方でカシ類の緑葉の一部が枯れている場合は、その部分はやはり白っぽく、そこに紛れているルーミスは殆ど見えません。 ところがムラツの翅の裏の色は焦げ茶色をしています。 このように濃い色のものは自然界にはあまり無いように思われ、あるとすれば自身の翅の裏位です。 それでこの種は強い集合性を持っているように思われるのです。 これについて来シーズンは簡単な実験を考えています。 即ち、10cm四方位の黒っぽい板を準備して枝に吊るしておく。 緑色ではない、この板にムラツが集まればムラツが緑色の葉に集団を形成するのは緑色の葉を好んでいるからではなく、自分の翅裏の色と同じ様なものが存在しないからであると考えられるのです。 5:ムラツはどのようにして集団の所在(ありか)を認識しているのか? 集団が日当たりの良い場所に形成される事はある程度掴めましたが、この場合、温度よりも明るさが問題であるように思われるのです。 即ち、ムラツが視覚だけに頼って集団の場所を認識しているのだとすれば明るくなければ認識出来ないからなのではないか? この点については上記4と似た様な実験を考えています。 即ち、10cm四方位の緑色の板を準備し、その中央部辺りを黒くしておきます。 その上でその板を吊り下げておくのです。 他の葉同様にムラツが集まれば、集合するための、ある種の化学物質の存在を否定出来るのではないかと考えているのです。 但、このやり方は、2頭目以降からは意味がありません。最初の個体が何かを発散させているかもしれないからです まあ、それや、これやの疑問への謎解きを楽しみながら、願わくばのんびりと来シーズンも観察が出来ればなあと考えていますが、でもこんな不景気の中で、どうなることやら。。。。
by clossiana
| 2009-02-16 18:09
| シジミチョウ科
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Comments(4)
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maeda
at 2009-02-17 06:58
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長期間観察された成果ですね。
実際に見た者でないと出てこない感想だと思いました。 次の冬が楽しみです。
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clossiana at 2009-02-17 07:27
maedaさん、コメントありがとう御座居ます。ただ公園を一周して見つけた個体の数をカウントするだけの単純な方法ですので未だ成果と言える程のものでもないのですが、救いはそれをやっていて楽しいって事でしょうか。実際自分の目で観察をしていると、図鑑等に記載されている事に?って思う事にしばしば出会い、それも面白いです。
観察もこのようにまとめていくと、それなりの考察や新たな疑問がでてきて面白いですね。
ところでムラツは色に反応しているのでしょうか。 カラスアゲハなどの集団吸水では、アゲハの写真をおいておいてもよってくるそうですが、ムラツではそんな仲間の姿に惹かれるってことはないんでしょうか。 集まるときの様子を見ていても、かなり探るような感じで葉の間を飛び回っています。(ムラシもそうですが) このときに、その場の葉の色だけでなく、気温、湿度、空間の様子なども観察しているのかなと思っています。 毎年大体同じ場所に集団が形成されるので、そんなことも大いに関係あると思っています。 最後にどの葉にするのかの最終的な要件が仲間(色、姿 ?)になっているんでしょうか。 色の板も面白そうだし、いろいろな濃度に印刷したムラツの切り抜きなんかを葉に貼り付けてみるとか・・・ 時間が合えば調査に協力します。
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clossiana at 2009-02-18 07:35
ダンダラさん、コメントありがとう御座居ます。私は直感的にはカラスアゲハなどは色と大体の大きさで仲間かどうかを判断しているのでは?と考えています。ベニヒカゲの探雌飛翔も見ていると茶色で、あの位の大きさのものがあると必ず関心を示し、近寄って確かめています。ですから形はそっくりである必要はないのでは?と考えています。今迄ムラツの観察はただ見て回るだけでしたので、来シーズンはもう少し踏み込んだ形で何か出来る方法はないものかと思います。あそこは個体数がそこそこですので実験場としては適しています。ダンダラさんのお都合が合えば是非お知恵と御協力をお願いしたいです。
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