自己紹介
1950年生。北海道育ち。
子供の頃に患った蝶への熱病が98年、30年ぶりに再発。今のところ完治の見込みなし。 こまったものだ。 現在は北海道在住。 ___________ エキサイト以外のリンク 日本道路交通情報センター あやはべる/撮影日誌 蝶の観察記録 My Favorite Butterflies of JAPAN my蝶あるばむ Hirokou's Field Notes naoggio写真日記 受身の園芸 自然散策雑記帳 四季おりおり Googleマップ 最新の記事
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拙ブログ 2017年11月17日付けの続きです。ベランダのオオアブラススキに産まれたチャバネセセリの卵から4頭の内の2頭が無事に羽化して飛び去っていきました。残つた幼虫は2頭です。でも、この2頭が残った事実こそが今回の一連の観察でハイライトとでも言うべきことだったのです。どういうことかと言いますと。。
「同じ日に産まれた卵なのに、その後の成長が何故、二手に分かれたのだろうか?」 4個体とも孵化した日は9月14日前後で違いはありませんでした。しかし。その後の成長の速度が全く違っていたのです。BとCの2個体は10月6日頃には相次いで蛹化し、その後の10月25日頃に相次いで羽化しました。これは産卵日から、およそ46日後のことでした。一方で残ったAとD個体は12月初旬現在、依然として4齢のままなのです。 何故、これほどの差が生じたのかと言えば、AとDの両個体は暖かい日であっても摂食しないのが普通だったからです。巣の周辺の食痕が古いままでしたので摂食していないことがわかりました。しかし筒状の巣を覗いてみると、巣の中で生きていることは確認出来ていました。この様子から、この両個体は休眠体制に入ったのだと考えられました。 例えばチャマダラセセリなどは春に産付された卵の内、一部は夏型として羽化し、残りは翌春に羽化することが知られています。ならば、このチャバネセセリも同様なのかもしれません。即ち、卵が産み付けられた瞬間から年内に羽化するグループと越冬して翌年に羽化するグループに分かれるように、あらかじめ別々のプログラムが用意されていた可能性があるのです。と言うか、そうとしか考えられないのです。 ところが図鑑(注1)には次のように記載されています。 「 」内引用 「本種の休眠は、高すぎない気温のもとで短日によって誘起され、イチモンジセセリと同じく発育遅延の状態となって越冬に入るが、イチモンジセセリが短日であれば気温にかかわらず発育遅延するのとは異なって、短日であっても高温では発育遅延を起こさない」 するって~と ?? (A)何か後天的な要因で年内羽化組と越冬組とに分かれたのだろうか? a-1:短日の条件下で卵が産付されたのだから本来であれば4頭共、休眠に入る筈だった。ところが、この内の2頭にとってはベランダは高温であり、残る2頭にとっては、そうではなかったと言うことだろうか? a-2:同じベランダ上の同一の鉢の上の食草であっても幼虫のとまっていた場所(高さ)によって温度が微妙にに違っていたということだろうか? (B)それとも卵が産付された時点から二手に分かれるべく違うプログラムがなされていたのだろうか? う~む、全くわからない。。 でも、全く分からないとしても、わからないことがあるってことが、わかっただけでも大きな収穫であったと言えます。今回の一連の観察を通して判明した不思議さはフィールド観察であれば決してわからなかったことです。フィールド観察では、ここまで各個体の行動を細かく追いかけることはほぼ不可能だからです。例え、成長の速度が二手に分かれたとしても “産卵日が違っていたのだろう。。” 程度のことしか思いつかない筈だからです。一方で完全な飼育下であっても今回の不思議さは見えてこなかったことでしょう。何故なら飼育下であれば飼育下という特殊な環境下での出来事という風に考えてしまいがちだからです。それを考えると今回の “フィールドでもなく飼育でもない” 環境下で繰り広げられた不思議な生態を目の当たりに出来たのは誠に幸運であったとしか言い様がありません。 ところで実はもう一つ気になることがあるのです。それは拙宅のある東京都では本種は偶産種(注2)となっていることです。そうだとすれば越冬して生き残ることが出来るのだろうか?ベランダであればぎりぎりセーフなんだろうか?この点も今後の焦点です。続く。。 (注1)原色日本蝶類生態図鑑 福田晴夫他編 保育社 昭和59年 (注2)「やどりが」No.254 日本鱗翅学会 2017年
by clossiana
| 2017-12-08 20:48
| 蝶の不思議
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Comments(4)
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himeoo27 at 2017-12-09 21:35
ホシチャバネセセリ↓のような希少種だと
見つけにくくとも根性で・・・というのは 分かりますが 調べつくされているようなチャバネセセリ を識別して丁寧に観察しているところが、 凄いと感心しました。
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clossiana at 2017-12-11 16:22
himeooさん、コメントありがとうございます。 身近にいる蝶は、身近にいるだけに、少しだけでも観察すると、もうその蝶については何でもわかっているような気になってしまいがちです。本当はわからないことだらけでも、わかっていないってことに気がつくことも出来ません。かくいう私も今回はたまたま、この蝶を観察する機会に恵まれましたが、そうでもない限りは、この蝶を調べようって気になんかならなかったと思います。
Commented
at 2017-12-13 21:26
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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by
clossiana at 2017-12-14 16:17
鍵コメさん、先日は大変にお世話になりまして、ありがとうございました。今後とも宜しくお願い致します。
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