自己紹介
1950年生。北海道育ち。
子供の頃に患った蝶への熱病が98年、30年ぶりに再発。今のところ完治の見込みなし。 こまったものだ。 現在は北海道在住。 ___________ エキサイト以外のリンク 日本道路交通情報センター あやはべる/撮影日誌 蝶の観察記録 My Favorite Butterflies of JAPAN my蝶あるばむ Hirokou's Field Notes naoggio写真日記 受身の園芸 自然散策雑記帳 四季おりおり Googleマップ 最新の記事
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昨年の12月初旬に栃木の公園で越冬中のイチモンジセセリの幼虫を観察することが出来ました。その時点では何頭かの個体を確認していたのですが、いずれも湿性植物であるカサスゲの葉を何枚か綴り合せて越冬巣が作られていました。しかし、一部の個体はその後、越冬巣が水没してしまったのです。その詳細につきましては先の拙ブログ本年1月13日付けをご覧下さい。
さて、残ったのは4個体となりました。この4個体はその後どうなったのでしょうか? と言いますのはこの種にとって栃木は越冬出来るかどうかのボーダーライン上だからです。 結果から話しますと1月下旬の観察時には、すでに3個体が巣内で★になっているのが認められました。その死因は死骸がそのまま残っていましたので恐らくは寒さのためでしょう。しかし私が越冬巣を無理にこじ開けたためである可能性も否定出来ません。ですので懺悔です。 しかし一方では生きている個体も僅か1頭ですが確認が出来たのです。そしてその個体は2月末の観察時点でも生存が確認出来たのです。どうやら同じ条件下でも生き残る個体もいることがわかりました。 さて余談ですが。。 このイチモンジセセリについては秋季に於ける移動がよく知られています。この移動の要因として「蝶、海へ還る“イチモンジセセリ 渡りの謎”」(注)には次のように記載されています。 「 」内引用 「この蝶の幼虫は三十四種類のイネ科、タケ科、カヤツリグサ科を食べているが、夏期はほぼイネ(=湿地グラス) に限られる」 「冬期間はチガヤ、イヌムギ、オオウシノケグサ(=乾地グラス)など数種のグラスだけで大部分の幼虫が冬を越す」 「湿地グラスで増殖する二つの世代と乾地グラスで冬を越す世代の間に移動がはさまることの重要性を簡単に理解して いただくことができると思う」 私はこの種の食草を「湿地グラス」とか「乾地グラス」に分けることには、そんなにこだわる必要はないのではないかと考えています。と言いますのはイチモンジセセリの母蝶にとっては「幼虫が食べられる草があるか無いか」だけが問題であって「湿地性グラスであるか乾地性グラスであるか」については、まるで頓着していないとしか思われないからです。ですので「湿地グラスから乾地グラスへの移動」ではなくて「食草がない場所から食草のある場所への移動」として捉えた方が自然なのではないかと思っているのです。 (注)「蝶、海へ還る」“イチモンジセセリ 渡りの謎” 中筋房夫 石井実 共著 冬樹社 昭和63年5月30日
by clossiana
| 2017-03-10 21:13
| セセリチョウ科
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Comments(6)
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banyan10 at 2017-03-11 06:53
イチモンジセセリは春に成虫を見た記憶がありません。
関東では越冬は無理かと思っていましたが、栃木で越冬できるなら関東南部ではそれなりの割合で春にも発生しそうですね。 これからは少し気をつけて観察しようと思います。
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辺蟲憐
at 2017-03-11 19:53
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clossianaさんに一票。
まあ「大部分」と言うワードで包括されているのかもしれませんね。 ちょっと思うのは羽化当日に100kmも翔ぶとされる「ニシドッチ」は その性格が重要であって 湿地にせよ乾地にせよ 広食性を考えれば 食草のある場所への移動と言うより 越冬条件が得られる場所のものを食う たまたま?その主力が乾地グラスだ と理解しています。
最も身近な蝶の一つであるイチモンジセセリにも色々なドラマが隠されているのでしょうね。
最後の1匹の幼虫が、首尾よく成虫になれたら嬉しいですがこれからがまた大変ですね。 イチモンジセセリの移動については私も食環境との絡みが理由だとは思えません。 辺蟲憐さんがおっしゃられているようにほとんど性格なのだと思います。
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clossiana at 2017-03-14 17:32
banyanさん、コメントありがとうございます。
私も春にこの蝶を見かけたことはありませんが文献によれば栃木でも越冬に成功した例もあるようですし全滅だったと記載されているものもあります。稲の害虫としては有名な割りには未だわからないことも多いようです。今回の観察では冬季に越冬巣を開けていますので、そのために死んだ可能性も否定しきれず、もう少し観察の仕方を工夫する必要があると痛感しました。
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clossiana at 2017-03-14 17:35
辺蟲憐さん、コメントありがとうございます。
私は未だ集団移動自体を見たことがありませんので何かを言うのはあつかましいのですが、それが見られない理由が農薬などで生息密度が少ないためであるとするなら餌は確保されているのですから移動しなければならない理由がわかりません。もし越冬可能な地域への移動だとするなら「ニシドッチ」は理にかなっています。でも↑の本では乾地グラスのある場所への移動であると結論づけられています。辺蟲憐さんが仰られていますように越冬条件が得られる場所への移動だと考える方が自然のような気がします。
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clossiana at 2017-03-14 17:38
naoggioさん、コメントありがとうございます。 最後の一匹の幼虫ですが今月は生きているかどうかの確認はしていません。諸事情により次回の観察は来月になりそうです。この種の秋に発生する個体は幼虫時代の生息密度とは関係なくトノサマバッタの群生相の如き変化をするようですので、やはり食環境とは関係が無さそうです。しかし、もともと南方性の蝶ですので南方で培った性質を持ち込んでいるだけなのかもしれません。もし、そうならもともとの生息場所でも移動をしているのかどうか?しているとすれば何のためか?を調べないと答えは出ないかもしれません。
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