自己紹介
1950年生。北海道育ち。
子供の頃に患った蝶への熱病が98年、30年ぶりに再発。今のところ完治の見込みなし。 こまったものだ。 現在は北海道在住。 ___________ エキサイト以外のリンク 日本道路交通情報センター あやはべる/撮影日誌 蝶の観察記録 My Favorite Butterflies of JAPAN my蝶あるばむ Hirokou's Field Notes naoggio写真日記 受身の園芸 自然散策雑記帳 四季おりおり Googleマップ 最新の記事
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(謎が解けたかもしれない編=オオヒカゲ、半夏眠説)
一昨年の6月23日、私は「オオヒカゲの不思議」と題する駄文をアップしました。 内容を要約しますと。。 「北海道と関東ではオオヒカゲのライフスタイルが違うように思われる。。何故このような違いを生ずるのだろうか?」 というものです。この違いとは。。 ○関東ではオオヒカゲは必ずと言っていい程、水辺の回りに生息している。 ●しかし北海道では水辺近くだけではなく、例えば低い山の山頂やササ原、荒れ地のようなところでも見られる。 ○関東では7〜8月には薮や樹林内の薄暗いところに潜んでいる。その為、撮影の際は照度不足に悩まされる。 ●しかし北海道では同じ樹林といっても疎林やササ原のような、もっと明るいところでも飛び交っているのが見られる。 ○関東では開翅シーンは殆ど見られない。 ●しかし北海道では開翅しての日光浴を見ることは稀ではない。 ○関東では吸蜜シーンは報告されていない。 ●しかし北海道ではすでに2〜3例が知られている。 恐らく吸蜜シーンは北海道では注意していれば見ること自体は難しくないのでは?と考えています。 上記をアップして以来、この違いを生む要因を突き止める為に私は新潟や福島の発生地を回ったりしていました。 この二つのタイプの境界線がわかれば、何かがわかってくるかもしれないと考えたからです。 しかし何も得るものはありませんでした。 ところが昨年、この蝶の卵塊を撮ろうと9月下旬にいつもの観察場所へと出向いた時のことです。 何とそこでは今迄に関東では見たことが無かった色々な光景が繰り広げられていたのでした。 ○日中の午前11時〜午後2時の間、複数の母蝶が産卵を行っていた。 ○その産卵行動は日向でも見られた。 ○開翅しながらの産卵が見られた。 ○食草上のみならず樹幹にとまって開翅、日光浴する個体も見られた。 また上記に加えてbanyanさんが同じ頃に別の場所で貴重な観察をされたのです。即ち。。 ○複数個体による樹液での吸汁や地面での吸水などが観察、撮影されたのでした。 こういう多彩な生態は北国と殆ど変わりません。 「そうか、そうだったんだ。。」私はこういう光景を見させてもらったことによって長年の疑問が解けた様な気になりました。 つまり関東と北海道での行動の違いを生む要因は気温のせいではないかと閃いたのです。 関東で色々な行動が見られた9月下旬の最高気温はと言えば25℃前後でした。 これは北海道の夏の気温に相当します。 「でも、もしそうだとすれば、ひょっとして。。」私の頭は次には夏眠するヒョウモン類を連想させたのでした。 御存知のように一部のヒョウモン類は夏眠することが知られています。 クモガタ、メスグロ、ミドリ等々です。 これらの蝶は初夏に羽化した後に何処かへ消え去ってしまい盛夏にみることは殆どありません。 ところが、北国や高標高地では真夏でも普通に飛び交っています。 つまり夏眠という現象が見られないのです。 一方低地では一旦雲隠れした蝶達が再び現れるのは秋です。 何処からとも無く現れてきて吸蜜や配偶行動、産卵等が見られる様になります。 そんなヒョウモン類を念頭において、もう一度オオヒカゲについて考えますと真夏に於ける北国と関東のオオヒカゲの行動の違いがとても理解し易いように思えてきました。 関東では6月下旬に羽化したオオヒカゲはやがて近くの薮や樹林内の薄暗いところへ移動して、9月中旬頃までの3ヶ月間もの長い期間を殆ど何もせずに過ごしています。 でも本当の夏眠ではありませんから人の気配などを感じると、渋々飛び去ります。 そして秋になって初めて再始動します。 「今迄、関東で見てきた真夏のオオヒカゲの姿は半夏眠状態のものだったのではないだろうか?」 私は今、この怪しげな説の虜になっています。 目下の最大の興味は交尾がいつ頃、行われるのか?です。 それが秋だとすれば半夏眠説の傍証となりそうだからです。
by clossiana
| 2011-07-01 22:41
| 蝶の不思議
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Comments(4)
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himeoo27 at 2011-07-03 10:11
オオヒカゲの行動の違い面白く拝読いたしました。
関東(栃木県のみ)しか知らないので、気候条件を無視して最初の文章だけ読むと「ひょっとして良く似た別種」では?と思ってしまいました。 昨年秋に比較的新鮮な♀を観察し、最近ゆっくり飛び回る雌雄を見ました。 先週は曇天で23℃程度と気温があまり高くなかったので、珍しく比較的明るい草むらや林縁部のも飛んでいました。 上記考え方は、当たっているかもしれませんね!
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そう言えば昔よくオオヒカゲを見かけた山梨県の温泉(標高1200メートル)では、真夏でもいっこうに休む気配なく飛び回っていたように記憶しています。
この蝶きっと暑いのが苦手なのでしょうね。 夏眠しない場合も、産卵時期は秋なのですか?
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clossiana at 2011-07-05 20:05
himeooさん、コメントありがとう御座居ます。
気温が23℃くらいだと、この時期でも飛び続ける個体が見られるのですね。 これは嬉しいニュースです。勉強になりました。 実は昨年himeooさんがアップされていた草原に棲むクロヒカゲモドキを大変羨ましく拝見させて頂いておりました。 普通は林縁の蝶なのに、あそこではどうして草原なのか? 私はこれも気温ではないかと考えています。 それと草原に棲むキマダラモドキも同じ理由ではないかと考えています。
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clossiana at 2011-07-05 20:07
naoggioさん、コメントありがとう御座居ます。
標高1,200mでは真夏でも飛び交っていたのですね。これも嬉しいニュースです。 いい加減な仮説だった筈なのに自信が湧いてきました。 以前に岩手のオオヒカゲを虫林さんがアップされていましたが、これも明るい陽射しの中のようでした。やっぱり気温が大きく影響しているように思えます。 産卵時期ですが北海道で8月に産卵行動を見たことがあります。でもその時は卵は確認出来ませんでした。
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