自己紹介
1950年生。北海道育ち。
子供の頃に患った蝶への熱病が98年、30年ぶりに再発。今のところ完治の見込みなし。 こまったものだ。 現在は北海道在住。 ___________ エキサイト以外のリンク 日本道路交通情報センター あやはべる/撮影日誌 蝶の観察記録 My Favorite Butterflies of JAPAN my蝶あるばむ Hirokou's Field Notes naoggio写真日記 受身の園芸 自然散策雑記帳 四季おりおり Googleマップ 最新の記事
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第一話
子供の頃の話ですから、もう50年も前のことです。 私が育ったのは北海道の某市なのですが実家は市の外れの方にありましたから自転車で2〜30分も走れば近くの山に辿り着くことが出来、そこでは季節ともなればクジャクチョウ、エルタテハ、シータテハ、コヒオドシなどが普通に見られました。 特にクジャクチョウは数も多くて通っていた小学校の木造校舎の脇の花壇には沢山のクジャクチョウが飛来していたものです。 ところがキベリタテハという蝶は一度も見た事がありませんでした。 そんな或る日のことです。小学生の社会科見学の一環としてバスで市の外れにある発電所へ行った時の事です。 発電所の前の少し広々とした駐車場で帰りのバスを待っていたら、黒っぽい中型の蝶が悠々と飛んできたのです。 見た瞬間に「あっ、キベリタテハだ。。」とわかりました。 と同時に心臓が破裂しそうな位にドキドキしたのを覚えています。 そのキベリタテハはその場をゆっくりと羽ばたきながら行きつ戻りつして、その場を離れる様子がありませんでした。 でも私は授業中でしたし、整列中だし、ネットも持っていないし。。 でも、とにかくそこへ駆けつけて行きたい、そして手でも帽子ででも何でもいいから捕まえてみたいという衝動にかられていました。 それで時々先生の顔色を窺っていたのです。 しかし先生の目がそれを許しませんでした。 私ははやる気持ちをずっと押さえていなければならなかったのです。 そしてそれは帰りのバスに乗り込む迄、ずっと続いていました。 第二話 同じく50年位前の話です。 或る年の冬のことですが飼っていた北海道犬の犬小屋は積もった雪で埋もれかかっていました。 勿論、小屋の屋根にも雪がどっさりと積もっていましたから小屋全体が小さな雪の山のように見えていました。 ふと、見るとその屋根の雪の上に黒いものが落ちています。 それを拾い上げてみると、何とそれはキベリタテハだったのです。 翅を折りたたんだ状態でひからびてカラカラな感じでしたから生きているのか死んでいるのかわかりませんでした。 でもキベリタテハを拾って嬉しさいっぱいの私は、それを室内に持ち込み棚の上に置いておいたのです。 するとストーブで暖かい室内でしたから、やがてキベリタテハが翅をパタパタと動かし始めたのです。 そのキベリタテハは生きていたのでした。 翅を広げると目を見張る様な美しさでした。 しかし私は無慈悲にもそのキベリタテハの胸を押さえて殺したのです。 これ以上にパタパタさせると翅が傷ついてしまって綺麗な標本が得られないからです。 さて何故そんなところににキベリタテハが落ちていたのでしょうか? 拾った時は子供でしたから何も考えませんでした。 それを考え始めたのはずっと後になってからです。 多分、犬小屋で越冬していた個体が何かの理由(犬の体温?)で飛び出し、外気温に触れて、そのまま戻れずに動けなくなったのかな?と推測しています。 真冬のキベリタテハを見た人は余りいないと思います。 私も↑の経験だけですが、一つ云えるのは、この真冬のキベリタテハは未だ美しいままだと云う事です。 一方で春以降に見かけるキベリタテハはシロベリタテハと云われるくらいに縁取りの黄色は残っていません。 このキベリがシロベリになる時期ですが↑の経験から越冬明け以降に徐々にシロベリになるのではないかと考えています。
by clossiana
| 2010-08-27 22:18
| 蝶の思い出
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Comments(16)
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Noreen05 at 2010-08-28 06:28
昨夜奇しくもキベリを掲載したばかりです。時間的には clossiana さんの方がお先だったようですね~長い時間と素晴らしい経験が物語るキベリとの思い出を綴った内容に、つい引き込まれ夢中で拝見させていただきました。社会科見学でのキベリとの遭遇、そして真冬の越冬キベリとの貴重な経験、きっと50年経った今でも鮮明に覚えていらっしゃるのでしょうね! clossiana さんの蝶に対する思いが伝わってきます。
キベリタテハは普通にはなかなか出逢えませんが、出逢うと何度も同じ場所に戻って来てくれますよね。これからの短い蝶シーズン中に何度出逢えるか?楽しみです。
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chochoensis
at 2010-08-28 08:50
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clossianaさんの「キべりタテハ」の思い出・・・素晴らしい文章に感嘆しました・・・。小生の最初の衝撃は、秋田県の友人の標本箱で見たキべりの美しさでした・・・その後、北米に転勤になったフィールドで見たキべりに懐かしさを覚えました・・・今でも衝撃を受けています・・・。
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crysozeph at 2010-08-28 13:44
真冬のキベリタテハ、なんとも不思議ですね。
さすがの北海道でも、平地にキベリタテハは少ないのですか?
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clossiana at 2010-08-29 13:56
Noreenさん、コメントありがとう御座います。↑の発電所は志比内発電所なんですよ。以来、あの前を通過するごとに、あの時のことを思い出します。先生は私が蝶を集めているのを知っていましたが教育上の配慮で許さなかったのだと思います。犬小屋のキベリは、あの日に見つけなければ、その上に雪が積もったでしょうから幸運でした。この蝶が自宅付近にいたなんてびっくりでした。
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clossiana at 2010-08-29 14:02
chochoensisさん、コメントありがとう御座います。キベリは本当に美しくて勇壮な蝶だと思います。この蝶が広く北半球に生息していて各国の切手の図案になっているのは知っていましたが北米にもいるのですね。。びっくりです。ところでオオヒカゲの卵、見つかりませんでした。再挑戦のつもりです。
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clossiana at 2010-08-29 14:10
crysozepfさん、コメントありがとう御座います。真冬のキベリタテハ。。あの時以来、見たこともありません。ですから小学生時代の貴重な経験です。北海道のキベリですが他の町や市でも少ないかどうかはよくわかりません。少なくとも自分の育った市では他のタテハに比べるとずっと少なくて、そのせいか今でも見かけるたびに血が騒ぎます。
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ヘムレン
at 2010-08-29 15:22
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キベリタテハ・・・越冬後はけっこう標高も低い場所で出会うのに、夏はなかなか機会は少ないですね。
初めて見たのは奥多摩だったと思いますが、すばしっこくてまったく写真にならなかったのを覚えています(^^;)。。 今でも、この時期、出会うのが楽しみな蝶です。 北海道・・・いいですね。行ってみたい(^^)
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grassmonblue
at 2010-08-29 17:55
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キベリタテハの思い出、興味深く読ませていただきました。
ぼくは九州の育ちで、クジャクチョウなどにはあこがれていました。 それから、渋いところではダイセツタカネヒカゲ。でも、キベリはノーマークだったのですよ。図鑑では魅力を感じなかったようです。 最近、写真で復活してから、皆が騒ぐので少しだけ影響されています。 最後の写真の壁は見覚えがあり、、先日行った所のような・・・?
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kenken
at 2010-08-30 23:03
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clossiana at 2010-08-31 07:09
ヘムレンさん、コメントありがとう御座居ます。キベリタテハは樺類が主要食樹ですから発生地は標高がある程度高いところですが越冬時には里にも降りてくるみたいですね。時々、こんなところで。。と思うような場所でも見かけます。でも私は都内でこの蝶を見かけたことはありません。子供の頃の経験からか、この蝶については見る度に興奮してしまいます。
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clossiana at 2010-08-31 07:10
grassmonblueさん、コメントありがとう御座居ます。私は逆に北海道育ちですので九州の蝶に憧れていました。図鑑を眺めながらいつも北国の蝶は地味だな、その点、南国の蝶は華やかでいいなと思い続けていました。今は北国の蝶にも憧れていますが中間の東京に住んでいるからかな?写真の場所はこの蝶で超有名な場所ですから、きっと同じところだと思います。
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clossiana at 2010-08-31 07:23
kenkenさん、コメントありがとう御座居ます。仰られていますように、この蝶の振る舞いには独特のものがありますね。こちらが必死なのに、つれなく飛び去ってしまったり、そうかと思えば妙に馴れ馴れしかったり。。でも一番面白いのは好奇心??の強さですね。撮影者の周りを巡回したりしますが汗の臭いに反応しているのかな?
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maeda
at 2010-09-05 18:38
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私の出会いは中2の夏、岩手の根田茂という早池峰山へ向かう林道でした。当時はスプリングネットで、小口径。飛んでいるところをネットインしたのですが、スプリングに当たったのでしょう、右前翅が半分裂けてしまいました。
初めて見たキベリ、そんな状態でもとっても嬉しくて、今でも箱に残っています。
北海道に行ったときに何度も観察していますが、シロベリばかりなのであまりカメラを向けていません。6月なので越冬明けになるからですね。
真冬にはまだキベリとは知りませんでした。
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clossiana at 2010-09-07 21:55
maedaさん、コメントありがとう御座居ます。確かmaedaさんは九州のご出身ですよね。ですから中2の時に岩手まで遠征が出来たとは驚きです。どの蝶でもそうでしょうが憧れていた蝶に会えた時のことは忘れられないですよね。特に子供の頃は車ではなくバスや汽車で出掛けたのですから会えた時の喜びは今とは比べものになりません。
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clossiana at 2010-09-07 21:56
mtanaさん、コメントありがとう御座居ます。シロベリは結構遅くまで生きていて7月でも見かけることがあります。パッと目の前に現われると一瞬何の蝶が飛びだしたのかわからないです。このシロベリは風雪に耐えて来た証しですから考え方によってはキベリよりも美しいかもしれないですね。真冬のキベリは一度しか見てませんが綺麗な個体でした。
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